和の彩りを生活にとりいれる① てぬぐい
みなさんこんにちは。各地で大雨。被災された方々にお見舞い申し上げます。
さて、「和の彩りを生活にとりいれる」と題して、今回から複数回、我々の日常の生活に日本文化を取り入れていくコツを紹介したいと思います。
日本文化を生活に取り入れる。これは実は、難しそうで簡単、簡単そうで難しい、という一筋縄では行かないものなのです。
手ぬぐいを例にとってみましょう。
てぬぐいは日本のハンドタオル。木綿でできていて、簡単に洗えてすぐ乾くのでコロナの時代にもうってつけ。ネットで検索すればたくさんの使い方が見つかりますが、まずは自分で試してみて今も習慣になっている使い方を紹介します。
手をふくタオルの代わりとして
これはとあるお寺で見かけて感心した使い方。手洗い場のタオル掛けに、タオルの代わりに手ぬぐいがかけてあったのです。和柄が素敵で、こうして簡単に手ぬぐいを生活に取り入れられるのか、と感心したことを覚えています。
厚手のタオルよりも速乾性に優れていますし、かさ張らないので便利なんですよね。
自宅でも真似て定番になりました。
ハンカチがわり
これも実践されていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。手を洗う回数が増えた今般、大きくてすぐに乾く手ぬぐいは本当に便利ですし、おしゃれですね。季節に合わせて、また気分にあわせて模様を選ぶ楽しみもあります。また、浴衣を着た時には、帯に畳んで差し込んでおけば、着崩れ防止にも役立ちます。
収納棚のカーテンがわりに
きれいな柄の手ぬぐいは、広げて飾りたい欲求にもかられます。額装してもいいですが、うちではもっと簡単に、カラーボックスの中身を隠すカーテン代わりに、上から垂らしています。目隠しにも、インテリアにもなり一石二鳥です。
集めて浴衣に!?
これはまだ自分では試したことはないのですが、盆踊りなど、毎年の行事の際に作られる手ぬぐいを何年分も集めて、浴衣を仕立てられる方もいる、と大学の先輩から伺ったことがあります。まだ実物をみたことはありませんが、素敵でしょうね。
生産地に気を付けて!
さて、これまで手ぬぐいを日常生活に取り入れる方法について書いてみましたが、気を付けなくてはいけない点がいくつかあります。それは手ぬぐいの生産地についてです。量販店などにある安価なものは、和風の柄であっても、外国産のものであることが結構あるのです。実用には何ら問題はないかもしれませんが、和の文化を守り伝えてくださっている国内の生産者を支えるためにも、できる限り国産の、昔ながらの手ぬぐいを手元にそろえていきたいですね。
以前の記事でサカキを取り上げた時にも書きましたが、今の世の中では、日本らしいものだ、と飛びついたら、実は外国製ということも少なくありません。消費者の私たち一人一人
が伝統に基づいたよいものを選択していくことで、次世代にほんものを残していきたいですね。
【備忘録】御朱印帳を買う際の注意点
みなさんこんにちは!今日は、わたくし自身のための備忘録の意味もかねて、これから御朱印帳を買うときに注意しておくべき点をメモしていきたいと思います。
1、大きさ
御朱印帳は様々な大きさがありますが、小さすぎると困るときもあります。
もし参詣したお寺や神社で書置きの御朱印を授与された場合、後で自分のご朱印帳に貼ることになります。もしもそのとき、御朱印の押された紙が自分のご朱印帳よりも大きな場合、御朱印帳からはみ出てしまうので、端の部分を切らなくてはならなくなります。
うまく端に空白があればいいのですが、日付などの文字が隅まで書かれている場合、切るわけにはいかなくなりますよね。
小ぶりのご朱印帳も携帯に便利ですが、書置きのご朱印をいただく場合のことも考えて御朱印帳を選びたいですね。
2、紙の材質
私の反省(?)を込めて紹介します。以前、とある美術館で、お寺の仏像を展示する特別展が開かれていました。そのときの限定品として、そのお寺の会場限定のご朱印と御朱印帳がセットになったものが販売されていました。
限定品!とのことですぐさま頂いたのですが、この御朱印帳を持参して寺社巡りをしていると(この時はお寺と神社で御朱印帳を分けていませんでした)、なにやらお寺や神社の方が難儀なさっているのです。最初の時は気が付かなかったのですが、御朱印帳に使われている紙がツルツルで墨をはじいてしまうらしく、文字がなかなか乾かないことによって御朱印を押すまでに時間がかかってしまうそうなのです。中には、ご機嫌を損じられたご担当の方もいらっしゃり、その後はこの御朱印帳は使えずにいます。
御朱印帳を買う際は、見本品の紙をよく見てから求めるといいですね。
3、お寺と神社用を分けて買う
これは少し難しい問題です。御朱印はお寺でも神社でもいただけるものですが、もともとは仏教に由来する文化でした。御朱印は、昔は、お寺にお経を写したものをお納めする(納経といいます)と、その証にと頂くものでした。それが神社でも行われるようになりました。
江戸時代の話をすると、神社とお寺は峻別されているものではなかったのですが、国学の起こりとともに廃仏の思想が力を持ち、お寺と神社を厳密に分けるべき、という考えが確固たる思想として起こりました。これが明治の廃仏毀釈へとつながり、お寺と神社はまったく別のものとして国家によって分断されました。現在でも、神社の方を中心に、日本人古来の宗教としての神道を重視する姿勢から、仏教的なものを排除する傾向にある方がいらっしゃるようです。
私は注意されたことはないのですが、以前、とある神社で御朱印をいただくために並んでいると、神主の方が、順番が来て御朱印帳を差し出された参拝客の方に、厳しい表情で「お寺用と神社用のご朱印帳を分けるように」と注意されていました。私はそのときは神社用を用意していたので注意されたりはしませんでしたが、御朱印帳の表紙をわざわざ見られて、お寺のご朱印帳ではないことを確認されました。少し、居心地が悪い感じもしましたが、奉斎されていらっしゃる方の方針なので、一介の参拝者がとやかくものを申すことではありません。
とりあえず3つ挙げてみました。これからも追記していこうと思います。
榊の9割が外国産!?
何気なく、地元ホームセンターのチラシを見ていて驚きました。
輸入本榊 税込128円
国産本榊 税込548円
え!サカキって、輸入してるの!?
もしかして、いつも買ってる榊は外国産!?
気になったので調べてみました。
こちらは、榊の輸入事業の草分けともいうべき会社のホームページ。
それによれば、なんと、現在日本で流通しているサカキの9割が中国からの輸入品!
日本では、高齢化や後継者不足といった林業の衰退で、榊の生産量が減少し続けているとのこと。
(ちなみに榊は日本の固有種ではなく、中国や台湾、韓国の済州島にも自生しているそうです)
もちろん、外国の生産者の方や事業者の方も、一生懸命に仕事に励んでいらっしゃることとは思いますが、神道の古来からのお供え物が、日本で調達できないというのはなんだかさみしいですね。
こうした現状を打開しようと、国産榊を復活させる新たな取り組みに励んでいらっしゃる方もいるようです。
本榊の定期配送サービス 神々にお供えする国産の本榊【伊勢榊】
榊の定期配送サービスとは、これまでにない柔軟な思考の産物ですね!
みなさんが普段お捧げしている榊は国産でしょうか?外国産でしょうか?
一概に外国産を遠ざける必要もないでしょうが、ゆとりのあるときには、吟味して榊を選びたいものですね。
おみくじを引く前に唱える歌
誰もが一度はひいたことのあるおみくじ。
そのおみくじを引くとき、皆さんは何か特別なことをしていますか?
願い事を心に願いながら引いたり、大吉が出るよう期待したり、特に何も意識しなかったり…。
人それぞれかと思います。
しかし、先日、おみくじに関する本を読んでいて、昔はおみくじを引く際に歌を唱えることがあったと知りました!
その本というのが、成蹊大学の平野多恵教授による『おみくじの歌』(笠間書院)です。
この本には日本各地の神社のおみくじに載る和歌が紹介されていますが、そのなかに
ちはやぶる 神の子どもの 集まりて
作りし占(うら)は 正(まさ)しかりけり
という歌が解説されています。
これは江戸時代に書かれた本に載っているものだそうで、その本によれば、自分にふさわしい歌の書かれたおみくじが引けるように、三回この歌をお唱えしておみくじを引くのだそうです。
今ではこうした歌を唱える人もいないのかもしれませんが、おみくじを引くときにこの和歌をゆっくり唱えると、自分の願いや今必要なものが何なのか、無心になって振り返ることができるかもしれませんね。
引いたおみくじはどうする? おみくじ帳のすすめ
こんにちは。今日から葉月。毎日が暑いですね。
今回の記事では、おみくじ帳について書いてみたいと思います。
みなさんも、神社やお寺にお参りして、おみくじを引かれた経験が一度はありますよね?
そのおみくじは、その後どうされていますか?
一番よくあるのは、そのお寺やお社にある木や「おみくじ掛け」に結ぶ、という答えでしょうか。
いただいたお教えを、その場で結び、神さま仏さまのご加護を願うとともに、気を引き締める。すがすがしい思いがしますね。神仏との縁結びの意味もかねて、こうしてその場でおみくじを手放される方も多いのではないでしょうか。
(ちなみに、「すがすがしい」ということばは、『古事記』にも出てくる古い日本語なんですよ!)
ですが、最近は境内の美化のためや、環境保護のために、木々の枝に結ぶことを禁止している神社も増えてきているようですね。また、書いてあるご助言をしっかり覚えていないと、その場限りの「運試し」で終わってしまいまい、引いたことすらいつの間にか忘れて行ってしまいます。
もうひとつの一般的な回答は、持ち帰って財布などに入れておく、というものでしょう。
私も以前までは財布にいわばお守りのようにして入れていました。こうすると、いつでも見返すことができますが、吉でないと、なんだか財布に入れて持ち歩くのには躊躇してしまいますよね…。
そこで最近私が始めたのが、おみくじ帳をつけることです。
手順は簡単で、私の場合は和紙の小型の帳面を用意し、それに引いたおみくじを貼り付けるだけ。おみくじの横には、筆ペンで引いた日付と場所を書いています。
なんでもデジタルで管理したい!という方は、実物はおみくじ掛けにお納めして、写真を撮ってスマホで管理する、という手もあるかもしれませんね。
おみくじ帳を作ると利点がいくつかあります。
一つがじっくりと頂いたお教えを味読できること。おみくじはそれぞれ、和歌が書いてあったり、項目ごとの吉凶が記されていたり、神仏に対しての心構えが書いてあったりと、実は情報量がとても多いのです。特に和歌は、「歌占(うたうら)」というものがあるほど、奥の深いものなのですが、読み込まないとせっかくのお示しも活用できませんね。これからのことを考えたり、あとから見返して自分の行いに思いを巡らしたり…。信仰心や崇敬のこころといったものは別にしても、自省の材料としてよいきっかけになるかと思います。
もう一つが様々な意匠を味わえること。神社によっては、和歌も神社ゆかりの独特のものであったり、挿絵があったりと多様です。お寺のものも、昔ながらの漢詩が乗るものや、ご本尊さまにちなんだ内容のものもあり、おみくじというものにも、御朱印やお守りと同じように様々な種類や工夫があります。おみくじ帳をつくって、何種類も並べてみると、そうした違いがよくわかりますね。
おみくじ帳を実際につけはじめると、いつどこで引いたのかが簡単に思い出せるようになり、その分思い出も鮮明に保てるようになった気がします。
また、おみくじを見返すことで、実際の自分の行動や選択とおみくじの結果を照らし合わせて考える習慣ができたので、自分の行いや考えにもっと注意して反省することが増えたように思います。
みなさまも、世界に一冊だけのおみくじ帳を作って、いただいたお示しと向き合ってみられてはいかがですか?
お寺や神社をもっと知りたい!
文月の最後の日にブログを始めました。
北陸三県を中心としたお寺や神社の紹介、開運術や読んだ本の感想などについて書いていこうと思っています。
どうぞよろしくお願いします!